子供の頃、夏休みは1か月もあった。大学生ならもっと長く、2か月ほどもあっただろうか。
だが、大人の夏休みはとても短い。会社によっては、夏休みがない人もいるでしょう。
そんな中でも、どうにかしてこの夏を楽しめないものか。できるだけ近場で、あまりお金がかからずに、日焼けもしない涼しい場所で。
――って、プラネタリウムがあるじゃん!
ということで、夏の思い出を作るために有楽町にあるコニカミノルタプラネタリアTOKYOへ行ってきましたので、施設の雰囲気や感想などをご紹介いたします。
東京のど真ん中にあるプラネタリウム
コニカミノルタプラネタリウム株式会社が運営する「プラネタリアTOKYO」は、東京駅の隣駅であるJR有楽町駅から徒歩3分ほどのところにあります。まさに、東京のど真ん中にあるプラネタリウム。
コニカミノルタプラネタリウム株式会社が運営しているプラネタリムは全部で5施設あります。
プラネタリウム満天 | 東京・池袋 |
プラネタリウム天空 | 東京・押上 |
プラネタリア TOKYO | 東京・有楽町 |
プラネタリウム満天 NAGOYA | 愛知・名古屋市 |
プラネタリア YOKOHAMA | 神奈川・横浜市 |
2018年12月に開業したプラネタリアTOKYOは、東京にある3施設の中では一番新しいプラネタリウムです。また、名古屋は2021年10月に、横浜は2022年3月に開業したばかりと、コニカミノルタプラネタリウムの勢いを感じます。
今回ご紹介するプラネタリアTOKYOにはシアターが2つあります。そのため、シアターが1つしかない他の4施設に比べると、上映している作品がとても多いです。
ですが、プラネタリアTOKYOに行けばコニカミノルタプラネタリウムの全ての作品を観覧できるというわけではなく、プラネタリウム満天(池袋)やプラネタリウム天空(押上)でしか上映されていない作品もあります。
今回わたしが観覧した作品「星の数ほど」も、この記事を書いている2022年8月9日現在、プラネタリアTOKYOでしか上映していませんでした。もし事前に「こういう雰囲気のプラネタリウムが見たい!」と心が決まっている場合は、あらかじめWebサイトで各施設の上映作品をチェックしておきましょう。
プラネタリアTOKYOはカップル多めのデート空間
有楽町マリオンの9階に、プラネタリアTOKYOはあります。
同じフロアの向かい側には丸の内ピカデリーがあり、映画とプラネタリウムが両方楽しめるという素敵空間になっています。
館内に一歩足を踏み入れると、すぐに甘い匂いが漂ってきました。
カフェスペースのほうへ目をやると座っているのは大半が若い女性だったため、彼女たちの香水の匂いだろうか……と一瞬思いましたが、どうやら現在上映されている作品「猫星夜(ねこぼしや)」のアロマのようです。
「猫星夜」は映像が投影されているシアター内にマタタビのアロマが漂っているというヒーリングプラネタリウム作品で、視覚と嗅覚を同時に楽しませてくれるらしい。想像以上に、プラネタリウムは奥が深い。
客層は若い男女のカップルか、女性のペアが多かったです。
なんとなくプラネタリウムは親子が多いイメージでしたが、わたしが行った時間では子供は一人しか見かけませんでした。
カフェのメニューを見ても、カップの底が光るドリンクや派手な色のパフェなど、写真映えするものばかり。
子供が楽しむ場所というよりも大人向けのデートスポットなのだろうなぁ、などと思っていると、8月末までの夏休み期間中にはポケモンと一緒にオーロラについて学ぶ作品が上映されていたりします。どんな客層にも幅広く対応できる、懐の深さを感じますね。
上映時間まで手持ち無沙汰でしたら、DOME1入口近くの通路に無料で楽しめる「流れ星のランタン」というスペースがありますので、ぜひそちらを体験してみてください。
通路の壁面に本日観測された流れ星の数が表示されていて、その下にランタンが置かれています。ランタンにはスマートフォンから「願い事」を込めることができるのですが、次に流れ星が観測された瞬間に、それらのランタンが願いと共に宇宙へと放たれるのです。
これがなかなか面白い。今にも流れ星がやってくるのではないかと思うと目が離せず、いつまでも映像を見てしまいます。
「星の数ほど」を観賞
館内をふらふらと見て回っているうちに、予約の時間になりました。
今回観覧する「星の数ほど」は、DOME1で上映されます。シアターの入り口にある機械に、Webでチケットを購入した際に送られてきたQRコードをかざせば、そのまま入場できます。
DOME1は平らな床面の上に椅子を並べた、高低差のないシアターです。
三方をキャンプ用の椅子が囲んでいて、中心部には体を預けられるサイズの大きなクッションの席があります。キャンプ用の椅子は最初から背もたれが深めに設定されているため、長時間にわたって上方を見上げていてもそれほど疲れませんでした。
7月15日~8月31日まで期間限定で行われている「ウェルカム花火」を楽しんだ後、いよいよ作品が始まりました。
最初は都会の風景から始まります。
優しく語りかける声と共に視点が徐々に空へと上がっていき、やがて田舎の風景へと移り変わります。郷愁を誘うあたたかな声に、思わず涙が込み上げてきそうになります。イケボイス、最高。
また、DOME1は天井から床にかけてドーム全体を包み込むようにして映像が投影されるため、本当に自分が田舎の小道に立って夜空を見上げているような、非常に深い没入感を味わうことができます。
そのあとは過去に起こった天体イベント(しし座流星群や金環日食など)が投影され、中盤以降になると星空を眺めながら音楽を味わう時間が続いていく。このあたりになると、星空よりもむしろ歌が主役となります。
美しい音響に包まれながら、ゆったりとした気持ちで空を見上げていると――とても眠くなってきます。
上映が終わっても席を立たない人が多かったのは、きっと寝起きだったからでしょう。わたしもこの記事のことが頭になければ、確実にリラックスしたまま寝落ちしていたと思います。
プラネタリウムはいつでも楽しい
今回観覧した作品は夏を感じさせるようなものではありませんでしたが、もちろん、四季を意識した作品も上映されており、現在では夏らしいホラーテイストの作品が上映されています。
最初は夏を味わおうと思ってプラネタリウムに行ったわたしですが、結果としては、「プラネタリウムはいつでも楽しめる」ということを思い知らされました。
また、プラネタリアTOKYOでは毎週金曜日の夜限定で「Bar PLANETARIA」というプラネタリウムバーをオープンしています。
星空や世界の風景が投影されたドームの中で、お酒や軽食を楽しめるという素敵な空間。
ぜひ今度はそちらを体験してみたいと思います。