ギャラクシークルーズのススメ

みなさん、ギャラクシークルーズをご存知でしょうか?

「もうとっくに乗船してるよ!」という方もいるかと思いますが、今回は新米航海士であるわたくしUEMoRiがこの素敵イベントについてご紹介させていただきます。

ギャラクシークルーズとは

ギャラクシークルーズ(GALAXY CRUISE)は、日本の国立天文台が推進する市民天文学プロジェクトです。

美しい星空を背景にしたGALAXY CRUISEサイトのトップ画面

この「市民天文学」という言葉、あまり聞き馴染みがないですよね。

実はこれ、国立天文台が独自に考案した名称です。
元となっているのは「シチズンサイエンス」と呼ばれる市民と研究者が共同で行う科学活動のことで、市民が科学データの分類などを行うものらしいです。

さて、それでは国立天文台が推進する本プロジェクトではどういったことを行うのでしょうか。
内容は単純明快です。やることは主に2つ。

1.画像の銀河が「渦巻銀河」、「楕円銀河」、「それ以外の銀河」かを判別する。
2.その銀河が衝突している場合、どのような形状になっているか判別する。

各用語については公式サイトにて詳しく説明されているので詳細は省きますが、ざっくり言えば
この銀河はどんな形をしていて、どのように歪んでいますか?
という質問に次々に答えていく、ということです。

銀河の数はとても多く、まさに無限に思えるほど存在しています。
それら全てを研究者だけで分類していると膨大な時間が掛かってしまいますが、一般の人々が分類作業を手伝うことによって研究者はより専門性の高い作業に時間を割り当てられるため、効率的に研究を進めることができるようになるのです。

専門家でもない素人が判断したデータに価値なんてあるの?
と思えるかもしれませんが、もちろん価値はあります。たとえ素人でも、同じ銀河を何十人、何百人もの人が分類することで、統計的に正しい分類に近づけることができます。まさに「数は力」ですね。

でもやっぱり、なんだか難しそうだなぁ……と思ってしまうかもしれまんせんが、ご心配なく。
わたしも最初はそうでした。

実際に始めてみると、まるでパズルを解いていくかのようにゲーム感覚でサクサク進めることができますよ。

まずは参加してみよう

少しでも興味をお持ちの方はアカウント登録してみることをおススメします。

登録に必要な情報はメールアドレスだけですし、ブラウザでの作業となるので容量の大きなデータやソフトのインストールは一切必要ありません
また、本番の分類を始める前にトレーニングや練習用のコースが用意されているのですが、それだけでも十分に楽しいです。体験してみる価値は十二分にあると断言できます。

なにせこのギャラクシークルーズで使用されている画像は、ハワイのマウナケア山頂にある「すばる望遠鏡」に搭載された世界最高性能を誇る超広視野主焦点カメラ「HSC:Hyper Suprime-Cam」が捉えたものなのです。ギャラクシークルーズは、美しく壮大な宇宙の画像をこれでもかというほど目にすることのできる非常に有意義な機会なのです。

ということで、実際にギャラクシークルーズに参加してみましょう。
まずは公式サイトへアクセスします。

サイトの上部メニューにある「参加手順」という項目をクリックすると、参加への案内と、トレーニングを行って乗船許可証を手に入れるように勧められます。
流れに沿って、そのままトレーニングにチャレンジしてみましょう。最初こそ難しく感じるかもしれませんが、コツを掴めばそれほど難しくありません。

あちこちに現れてナビゲートしてくれる爽やかイケメンキャラ。ギャラクシークルーズ船長を務めている田中准教授がモデルだと思うが、明記はされていない(はず)

トレーニング終了後、乗船許可証が表示されます。
おめでとうございます。これであなたも立派な「市民天文学者です。

次はアカウント登録なのですが、一点だけ細かい注意点があります。

2022年5月28日現在、表示された乗船許可証の下部にある「ログイン画面へ」をクリックすると、すでに終了しているシーズン1のログイン画面に移動します。
もしもこちらでアカウントを新規登録したとしても、同じアカウントでシーズン2にもログインできます。二度手間になることはありませんのでご安心ください。

真ん中にリンクが貼ってある「シーズン2はこちら」からシーズン2のログイン画面に移動することができます。

シーズン1のログイン画面

新規登録(無料)を選択してメールアドレスを登録した後、パスワードとニックネームを決めればOKです。

いざ銀河を巡る航海へ

ログインできたら、次は練習コースにチャレンジしてみましょう。
上部メニュー左端の「コース」を練習に切り替えると、ボーテス島と名付けられた領域に移動します。

上下左右を白い四角が囲っている中心に対象の銀河があります。
その銀河を分類すると、解答後にギャラクシークルーズの船長、田中准教授の「答え」を見ることができます。

緑の線で囲まれた箇所が練習用の「ボーデス島」
十字に配置された白いマークの中心に対象の銀河がある
答えを間違えても優しくフォローしてくれる田中船長

練習コースを終えると、いよいよ本番です。

上部メニュー左端の「コース」を通常に切り替え、指定された島へと向かいましょう。
小さな青い格子がたくさん見えるところが、今あなたが向かうべき場所です。

目的地の目印は青い格子で囲まれたエリア

ここまで来れたなら、もう大丈夫です。
あとは思うままに宇宙へと潜り、次々に現れる銀河を堪能するのみです。

また、画面左下に表示されているアイコンは銀河を判別しづらい場合に画質を変更することができたり、収集した「銀河のピース」を確認したりすることができるメニューになっていますので、こまめにチェックしてみてください。

あなたも今日から「天文学者」

ギャラクシークルーズの意義は、わたしのような一般人でも宇宙研究の一端を担えるということでしょう。ですが個人的には、そんな小難しい理由でこのイベントに参加している人はむしろ少数だと思います。

普段眺めている星空をマウスでなぞり、スクロールして奥へ奥へと進んでいくと、様々な色で輝く美しい星や銀河が無数に躍り出てくる、その感動。

知識として宇宙の深淵さを知ってはいるものの、こうして実際に自分の手で宇宙の中へ分け入っていくという感覚は、ニュースサイトや画像ライブラリにある美しい写真を目にするときの興奮とはまったく質が異なります。

是非あなたもギャラクシークルーズの一員となり、宇宙の美しさ、広大さを感じてみてください。
この感動、他ではちょっと味わえませんぜ。

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