以前の記事で天文宇宙検定について紹介しましたが、ついに試験当日を迎えましたのでご報告させていただきます。
先に結果だけお伝えしますと……おそらく2級に合格しました!
自己採点なので確実ではありませんが、マークシートの解答が一行ずつズレていたなんて悲劇でも起こらないかぎり大丈夫なはず。
会場の雰囲気や受験者たちの様子も本記事にてお伝えしますので、興味のある方は是非ご覧ください。
ついに試験当日
2022年5月29日、日曜日。
とても暑い一日で、東京でも30℃を超える真夏日となりました。
会場は池袋駅から徒歩で6、7分のところにある専門学校。突き刺すような日差しの中をサンシャイン方面へ進んでいきます。
ビルに反射する太陽光がまぶしい……ツラい……などと思うと同時に、
「太陽の構造は、中心核、放射層、対流層、光球、彩層、コロナ—— コロナ加熱問題—— Kコロナ、Fコロナ、Eコロナ——」
と、詰め込んだ知識が脳裏に浮かんできます。あーはやく試験おわれ。
なんとなく、会場は古びた公民館のようなところを想像していたのですが、実際はとても綺麗な専門学校でした。
余裕をもって開場時間5分前くらいに着いたのですが、すでに50人ほどがロビーで待っていました。
年齢層は幅広く、上は70代と思しき男性から、下は8歳くらいの女の子までいます。最後の追い込みか、公式テキストに顔をうずめるようにして読んでいる方もたくさんいました。
奥には物販コーナーもあって、テキストや図鑑が若干値引きして販売されていました。手持ち無沙汰にそれらをぼんやりと眺めていると、いよいよ入場が始まりました。
みなさんきちんと列になって、順にエレベーターに乗り込んでいきます。
この緊張感、久しぶり
受験番号ごとに割り当てられた教室へと向かいます。ひとつの教室で30人くらいが受験するようで、間隔をとって並べられた机にはそれぞれの受験番号の書かれたシールが貼られています。
わたしの前の席に座っていたのは10歳くらいの男の子で、開始ギリギリまでテキストを開いていました。その真剣な背中を見ていると、私も否応なしに緊張が高まってきます。
こんなふうに試験を受けるのはいつぶりでしょうか。もう思い出せませんが、普段の生活ではなかなか味わえない緊張感です。
スタッフから試験の説明が10分ほどあった後、いよいよ試験が開始されました。
そこから先は必死だったのであまり覚えていることはありませんが、試験開始後すぐに気づいたのはマークシートでの解答は時間がかかるということです。
過去問などを解いているときは、部屋に落ちていた適当な紙に答えを書きつけていたのですが、慣れないマークシートだと意外と時間がかかります。
また、慎重に考えなければならない計算問題や、解答を絞りきれない問題は後回しにする作戦だったのですが、問題を飛ばしているためにマークシートの解答欄がずれていないか心配になり、途中で何度も問題番号とマークシートの番号を確認するという作業も発生してしまいました。
当初の想定では50分の試験時間の半分ほどで解答を終え、残りの時間で見直しをするつもりだったのですが……結果的には、マークシートを全部埋め終えたのは試験終了ギリギリでした。
試験開始から30分経過〜40分経過の間の10分間だけは途中退出ができるため、解答を終えた人たちはその間に教室を出ていきます。颯爽と教室を後にする彼らに尊敬の念を覚え、同時に大きなプレッシャーを感じました。
問題冊子の後ろには本検定に対するアンケートがあり、余裕のある人はアンケートにも解答してくださいという説明が事前にあったのですが、そんな余裕はまったくありませんでした……無念です。
答えを決めきれずに勘で解答した問題も多く、まったく手応えを感じることができずに試験を終えました。専門学校を出たわたしは、若者たちで賑わう池袋の繁華街を足早に抜け、そのまま逃げるようにして都心を後にしたのでした。
解答速報は翌日に出る
試験前の説明で知ったのですが、解答速報は翌日の正午ごろにWebで公開されます。意外と早くて驚きましたが、何週間も悶々とした日々を過ごさずに済むのは非常に助かる。
問題冊子は持って帰れるので、選んだ解答はしっかりチェックしておきました。
そして翌日――
最初にも書いたとおり、あくまでも自己採点ではありますが、2級に合格しました。
久しく忘れていましたが、費やした時間が報われるというのはとても嬉しいものですね。
勉強方法について
あまり参考にならないかもしれませんが、わたしの勉強方法もいちおう書いておきます。
2.過去問に挑戦し、自分の苦手な箇所をざっくり把握する
3.自分の苦手な箇所を意識しながら公式テキストをもう一度最初から通しで読む(2周目)
4.ふたたび過去問に挑戦し、間違えた箇所は公式テキストの該当する章を読みこむ
オーソドックスな勉強方法(暗記法)だとは思いますが、やはり正攻法が一番です。
特に本検定の設問は全て公式テキストの内容から作られているので、とにかく公式テキストを読みこむことが重要だと感じました。
あとは時間が空いた時に天文関係のニュースサイトを見たり、移動中などに宇宙関連のYouTubeやポッドキャストを聴いたりするのも良いと思います。公式テキストだけでは説明が不十分に思える箇所もあったので、余裕があれば他の情報メディアも参照してみてください。
挑戦して良かった
今回、天文宇宙検定を受けてみて本当に良かったと思っています。
もともと宇宙が好きで色々な本を読んだり、SF小説を片っ端から読み漁ったりしていましたが、この検定のおかげで散らかっていた宇宙に関する知識の一部を整理できたと感じています。
しかしそれ以上に、試験に臨む緊張感や熱意のようなものを思い出すことができて、精神的に少し若返ったような気がします。とにかく、楽しかった!
これからも少しずつ勉強を続け、やがては1級にもチャレンジしてみたいと思っています。
もしもこれを読んでいるあなたが宇宙に少しでも興味をお持ちなら、検定を受けるという選択肢も考慮してみてください。
本検定はあくまでも民間の検定ですので、就職で役に立つとか、キャリアアップに繋がるというものではありません。そもそも、大半の人にとって宇宙について学ぶというのは知的好奇心を満たすための娯楽にすぎないでしょう。
ですが、たとえそれが遊びであったとしても、なんとなくやるよりも真剣に取り組んだほうが何倍も面白いものです。
人生の幕間に空いた少しの時間に、ぜひあなたも宇宙を楽しんでみてください。