宇宙とはなにか

宇宙とはなにか。

あらためて考えてみると、とても曖昧なモノではないでしょうか。

  • すごく大きなもの
  • ずっと遠くにあるもの
  • 暗くて冷たい場所

など、宇宙という言葉を聞いて真っ先に頭に浮かぶものは人によって異なるはず。

この言葉の意味について、少し考えてみましょう。

宇宙という言葉

宇宙の姿
Photo by myersalex216 on Pixabay
うちゅう【宇宙】
万物を含むすべての広がり。天地。

Googleで検索すると、この説明が出てきました。
なんだか漠然としていますね。

では「宇」と「宙」の単語、それぞれの意味はどうでしょう。

う【宇】
大きなやねの下。天地四方。
ひさし。のき。やね。
ちゅう【宙】
おおぞら。天。
地面から離れた所。

同じくGoogleでは上記のように説明されています。

ふたつを合わせると「地面から離れたところにある大きな屋根」というような意味になるでしょうか。

空を覆っている巨大なもの。
なるほど、それっぽいですね。

宇宙の定義

言葉のニュアンスは掴めました。では、宇宙は一般的にどういった定義をされているのでしょうか。

遠くにある宇宙

地理的な定義としては「海抜100kmより上」を宇宙とすることが多いようです。

宇宙と地球の境界
Photo by NASA on Unsplash

地球の大気は海抜500kmほどまで存在していますが、上部に行くほど大気は薄くなっていきます。
そして海抜100kmほどになると、飛行機が航行するために必要な揚力を得られなくなるほど大気が希薄になります。

この地上100kmほどの大気が薄くなるあたりを「カーマン・ライン」と呼び、宇宙と地球の境界線としています。

しかし、現在ではカーマン・ラインを見直す議論が起こっているため、今後はこの「宇宙の境界線」も変化していくかもしれません。

わたしたちの暮らす宇宙

天の川銀河
天の川銀河の想像図。罫線の中心に太陽系がある。 Photo by WikiImages on Pixabay

わたしたちが暮らす地球は天の川銀河の太陽系に属する惑星のひとつであり、宇宙の一部です。

そして、地球の大地の上で生きているわたしたちに起こっている全てのことは、遠い宇宙で起こっていることと密接に繋がっています。

先ほどは海抜100kmより上を宇宙だと書きましたが、わたしたちが生活を送っているこの地球上も、まさに宇宙の中だと言えるでしょう。

  • 星はどうして光っているのか
  • 月はなぜ落ちてこないのか
  • 宇宙はどこまで続いているのか

こういった謎について研究することは、地球がどうして生まれたのか、そして、わたしたち人間はどうして存在しているのか、それらについて考えるということでもあるのです。

宇宙の現在

現在の宇宙の状況についても見てみましょう。

詳しい内容については今後テーマを細かく分けて書いていく予定なので、今回は簡単にご紹介だけさせていただきます。 

宇宙の年齢、大きさ、形

宇宙にまつわる数字は、科学や工学の発展と共に上書きされてきました。

今後も更新されていくでしょうが、現在の状況を下記にざっとまとめてみます。

宇宙の年齢138億年
大きさ半径 約470億光年 ※1
銀河の数約200億〜2兆個
惑星の数2×1027 ※2
宇宙の形不明 ※3
※1:「観測可能な宇宙」の大きさ。1光年=9兆5000億km
※2:地球が属する太陽系だけでも1000兆個の惑星があると言われます。この数に銀河の想定最大数2兆個をかけたものが上記の数字です。惑星の数については、地球上に存在する砂粒の数よりも多いと言われたりもしますね。
※3:ドーナツのような形をしているとか、巨大な風船のような形であるという説があります。

どれもスケールが大きすぎて、イメージすることが難しいですよね。

とてつもなく大きい、ということだけでも理解していただければと思います。

国際宇宙ステーション、人工衛星

21世紀を迎えた今、宇宙空間には人間が作ったものも多数存在しています。
その最たるものが、ISSでしょう。 

ISS
国際宇宙ステーション  Photo by NASA

国際宇宙ステーション(International Space Station:ISS)はアメリカ航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration:NASA)が中心となり、2011年に完成した宇宙ステーションです。

現在も現役で運用されていて、2021年12月には日本の実業家である前澤友作氏が滞在したことは大きくニュースにも取り上げられました。

他にも通信や気象観測などを目的とした人工衛星が地球の軌道上を周回しており、その数は約8,000機にも上ります。

人類はどこまで外宇宙へ進出したか

人工物は地球の軌道上を周回しているものばかりではありません。地球から離れた火星や木星を調べるために、多くの探査機が打ち上げられてきました。

その中で、最も地球から離れた場所まで行ったのがボイジャー1号です。

ボイジャー1号  Photo by NASA / JPL-Caltech

ボイジャー1号はNASAの無人宇宙探査機です。1977年9月に打ち上げられ、40年以上が経った今でも地球へ情報を送り続けています。
現在は太陽圏を遠く離れ、地球から約234億kmを航行中です。(2022年1月13日現在)

地球から太陽までの距離が約1億5000万kmですので、ずいぶん遠くまで行ったことが分かります。
2025年頃までは通信を行うことができるそうなので、まだまだ今後の活躍に期待したいです。

宇宙の未来

科学や工学の発展により、宇宙は日々新たな局面を迎えています。

今後の展開について、かいつまんで簡単に紹介させていただきます。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡

ハッブル宇宙望遠鏡の後継機であるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が2021年12月25日に打ち上げられました。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡   Photo by NASA

数多くの重要な発見をしてきたハッブル宇宙望遠鏡の100倍の観測能力を備えているため、宇宙観を塗り替える大きな発見をもたらしてくれることは間違いありません。

アルテミス計画

アルテミス計画とは、米国が中心となって進めている月・火星への有人探査計画です。
2024年に半世紀ぶりの有人月面着陸を目指しています。

また、同時に月周回軌道にゲートウェイ(有人基地)を建設する予定で、その後も様々な段階を踏みながら将来的には火星への有人探査を目標としています。

月軌道プラットフォームゲートウェイのモデル
月軌道プラットフォームゲートウェイのモデル  Photo by NASA/Aubrey Gemignani

火星探査

地球の隣にある惑星が火星です。

38億年前には川が流れていたとのことで、生命が存在しているのではないかと期待が寄せられています。そんな火星では現在、地球から送られた探査機や観測衛星が調査を行なっています。

地表では下表の4機の探査機が活動中です。

NASA・キュリオシティ(生命の痕跡、環境探査)
・パーサヴィアランス(生命の痕跡、環境探査)
・インサイト(地質調査)
CNSA ※1・祝融号(環境調査)
※1 中国国家航天局(China National Space Administration:CNSA)

また、火星の周回軌道上では8機の観測衛星が稼働中で、米国、欧州、中国、アラブ首長国連邦(UAE)がそれぞれ運用を行なっています。

NASAの火星探査機MAVEN
 NASAの火星探査機MAVEN  Photo by NASA/GSFC

現在は日本の探査機はありませんが、宇宙航空研究開発機構(Japan Aerospace Exploration Agency:JAXA)が主導となって進めている火星衛星探査計画(Martian Moons eXploration:MMX)が進行中です。2024年度に打ち上げを目指していて、火星の衛星フォボスとダイモスを観測する予定です。宇宙には分からないことがいっぱい

多くの研究者たちが長いあいだ研究を続けてきましたが、いまだに宇宙について分かっていないことはたくさんあります。

  • なにが宇宙を満たしているのか(ダークマター)
  • なぜ宇宙は膨張を続けているのか(ダークエネルギー)
  • 超巨大ブラックホールはどうやって作られるのか

上記はほんの一例にすぎません。宇宙はまだまだ分からないことだらけです。

宇宙の話が面白いのは、たくさんの謎に満ちているからなのかもしれませんね。

ですが、分からないことを解明しようと頑張るのが人間です。新しい技術や観測機器の進化によって、少しずつですが人類は宇宙の秘密へと近づいています。

次はどんな発見が待っているのでしょう。
そう考えると、ワクワクしませんか?

そんな魅力的な宇宙について、今後はひとつずつテーマを拾い上げて書いていきたいと思います。

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